チャプター⑨八郎潟という最高の湖 ~春から夏へ~初夏編(7月)~【加藤敏久】

筆者:加藤敏久
アフター回復系バスの攻略法
八郎潟のバスは例年ですと7月上旬ころになると少しずつ回復系のバスが増えてきます。そこからどんどん気温・水温が上昇していきますが、そうなるとアオコが大量に発生して水温も30度近くまで上昇する夏が訪れます。
今回は夏の直前までをフォーカスして考えていこうと思います。
スポーニングが終わり体力を回復するために動きが遅く食べやすい甲殻類などを捕食してどんどん回復していくバス達は次にベイトフィッシュを追い始めます。
この時期は体力が回復すると共に水温的にも動きやすく、バスにとっては好条件がそろっている為、シーズンを通してみても最も元気なのではないでしょうか?
この時期のバスを掛けると引きが半端ないです…
八郎潟のようなビッグレイクのバスはかなり筋肉質なのでもともとナイスファイトを見せるのですが、そのバス達がコンディション抜群なタイミングでのファイトはロッドワークを間違えるとロッドをブチ折られるのではないかと思うほどです。
泳ぎ回っているバスを探すには
普段はストラクチャーに依存しているバスですが、この時期はよく泳ぎ回っています。そんな泳ぎ回っているバスを釣るにはどういったポイントを狙えばいいのでしょうか?
泳ぎ回っているバスは基本的にはベイトフィッシュを捕食していますが、そういったベイトフィッシュが集まるエリア・ポイントを探し出すことがこの時期のバスを探し出す手掛かりとなります。
ここで一つ注意点があります。
上記の様にベイトフィッシュがいるという事はバスもいると思いがちですが、そうとも限らないという事を常に頭に置いておく必要があります。
ベイトフィッシュが多いからバスもいるはずだと思い込んでしまい、そこでひたすら粘ったとしてもなかなかいい結果は得られないでしょう。
常に次の選択肢を考えながらポイント選びをしつつ、好条件のポイントなのにも関わらずバスからの反応が無かった場合はタイミングを変えて入り直してみるといいでしょう。
釣り人から見て良い条件がそろっていてもバスにとっては何かマイナスな要素がある為に他のエリアに集まっている可能性もありますし、風が吹き始めたり、曇ってきたりと言った気象条件の変化や時間を開けることでそのポイントが良くなってバスが入ってくる可能性も高くなります。
一度入ったポイントでもタイミングを変えたら釣れるという事はよくある事で、特にこの時期はバスの行動力が上がっているので一度は行って釣れなかったポイントでもその時の状況をしっかり分析してその後に繋げると釣果にも影響を与えることになります。
粘り過ぎずにポイントを見切るタイミングと、好条件なポイントには入り直すタイミングを考えながら釣りをする事が大切な時期です。
ベイトフィッシュを探すには?
ベイトフィッシュを探すことが大切なのですが、ひたすら魚探を見ながらただボートを流していても効率が悪すぎます…
経験値である程度のポイントが分かる方はそれを生かせばいいですが、そうでなければ何かしらの見当をつけてベイトフィッシュを探していきます。
それではベイトフィッシュが好む場所はどういったエリアでしょうか?
【ベイトフィッシュが好むエリア】
・流れがある
・餌が豊富
・酸素が豊富
・適水温
簡単なところでは上記のようなエリアになります。
これだけでもかなり絞り込めますよね?
最も想像しやすいのは流れのあるエリアです。小さな流れ込みや流入河川、地形変化やボディーウォーターの流れなどでおおよその見当が付けられます。
そういった条件で絞り込んでポイントセレクトしていくと実際に行ってみたときにどうか?八郎潟の地図を見るだけでも様々な想像が出来るのでワクワクしてしまう方もいるのではないでしょうか。
ある程度ポイントの見当がついたらポイントを風向きや天候によって使い分けることもできます。逆に言えば、悪天候時の消去法でポイントを変える選択肢として使えます。
地図を見れば分かると思いますが、北風の時はここが風裏で、南風の時はここが風裏で、雨が降った後は川が良くないからここは行かない、と言ったように条件のいいエリアの中から当日の天候などを考えてエリア選択をすることでベイトフィッシュとバスを探すことが出来るのです。
八郎潟西部承水路 2020年6月15日の釣果情報
6月も中盤に差し掛かり、八郎潟にも梅雨の季節がやってきました。

少し湿度が高めで、ややジメッとしておりますが、気温はそこまで高く無いので、ギリギリ心地良い感じでございます。週間天気予報を見ると、ちょろっと雨が降る日もありそうですが、そこまで目立った雨の日というのも無さそうです。
すっかり打撃月間な八郎潟ですが、水面の釣りや巻物なんかでも釣っていらっしゃる方がいたりと、様々な釣りで楽しめています。だだ流しで適当にアシを打っていけば良いという訳では決してありませんが、コンスタントに良いバスが釣れていますよ!
ハーロック高橋さんがぎっくり腰につき、久々にイケダガイドで代打出撃!


打撃の釣りをメインにオープンウォーターでのテキサス巻き巻きなんかでも釣れました!
八重樫さんお疲れさまでした!また遊びに来てください!
お仕事が忙しくなかなか出船できなかった近藤さんは・・・

日が昇りきる前に撤退する近藤スタイル!しっかりと打撃でミッションコンプリートしていらっしゃいました!
日に日に6月を極めていく清水さんは・・・

この日は、この時期ちょっと釣るのが難しくなった50アップもキャッチしていらっしゃいました!
長期滞在のサンコーさんは・・・

日に日に釣果を伸ばしております!釣り過ぎて釣り具が足りなくなったようで急遽オーズさんにお買い物に行ってらっしゃいました!サンコーさんの勢いはもう誰にも止められませんね!
仲間内のトーナメントで盛り上がった浅利さんは・・・

3匹の全長で競って見事に勝利!普段何気なく釣りをするのも、もちろん楽しいですが、トーナメントにはトーナメントのまた違った面白さもありますよね!次回のトーナメントも頑張ってくださいね!
さて、6月も残り半分!シャローゲームで楽しい釣りができるこの季節!お見逃しの無いように!
チャプター⑰八郎潟という最高の湖 ~八郎潟におけるコバスと雷魚から分かる間違い!その2~【加藤敏久】

筆者:加藤敏久
今回は八郎潟で釣れるコバスについて考えていきたいと思います。
バスには変わりないから釣れないよりはいいのか?
でも、釣っても仕方ないとも思ってしまうコバスから何が得られるのか?
コバスも雷魚と同じ?
はじめに、八郎潟でいうコバスは何センチなのかは個人差もあるので、あえて今回の記事では記事内で言うコバスの基準を設定しておこうと思います。
八郎潟の場合はアベレージサイズが大きいので35センチでも小さく感じてしまうし、春の良い時期に35センチ以下のバスはほとんど釣れないので、コバスの基準を35センチに設定して解説していきます。
前回も書いたようにコバスも、雷魚もメインターゲットではないので、同じカテゴリー(外道)と考えていいと思います。(もちろんコバスもブラックバスですが、狙っている大きさではないという意味合いで)
それでは、雷魚とコバスが同じだと仮定すると以下の事はどう考えるべきなのか?という疑問が出てきます。
①雷魚はバスが減ったことによって釣れやすくなったと結論付けましたが、コバスの場合はどうなのか?
②雷魚が居るところにはバスは少ないので移動すべきと言いましたが、コバスの場合はどうなのか?
八郎潟でコバスが増えた謎?
八郎潟では夏以降、急激にコバスが釣りやすくなります。と言うのも、それまではアベレージサイズが釣れていたポイント・レンジ・釣り方でコバスが釣れてしまうのです。
この現象は年を追うごとに顕著になってきていると思っていました。
当初は、コバスが増えてきているのか?
コバスが増えてきているなら湖としては良い状態だな!と思っていましたし、みんながそう話していました。
しかし、よく考えてみると、果たして本当にそうなのか?
考えられる理由としては、雷魚と同じ現象があります。つまり、大きいバスが減ったことによってコバスが釣りやすくなった。
もしくは、純粋にコバスが増えた。
でも、もしコバスが純粋に増えただけなら、なぜ夏~秋にかけてばかり釣れるのか?個体数が増えていたら他の時期でももっと釣れて良いのではないか?むしろ釣れるはず…
私の個人的な見解では、雷魚と同じで大きいバスが減ったことによるものだと思っています。
夏になるとバスのポジションが変わる事が大きな要因で、大きなバスは条件が良いエリアへ移動します。そこで、もともと多くいたコバスなのか、増えたコバスなのかは定かではありませんが、コバスはそのまま釣り人が釣りやすいポジションに多く居るので釣れるのではないかと思います。
話がややこしくなってきたので、整理すると下記のようになります。
大きいバスが減少
↓
夏になると大きいバスは条件のいいエリア・ポイントに移動
↓
条件が良くないエリアには大きいバスは残らない(全体の個体数が少ない為)
↓
条件の良くないエリアにはコバスが残る(個体数が多いので残る個体もいる)
↓
条件の良くないエリアで釣りをしている人がコバスを釣る
この流れがあるからコバスが良く釣れるのではないかと思います。雷魚の時と同じような現象ですよね。
ちなみに上記の条件が良くないエリアと言うのは、それまでは好条件だったシャローなどを指しています。季節の進行とバスのポジションの変化に気づかないまま釣りをしていると陥ってしまいます。
結果的に言えば、コバスが増えたのかもともと多くいたのかは分かりませんが、この話においてその点は重要ではなく、大きいバスを探す指標としてどのようにとらえるかが重要だという事です。
コバスを目印にすることも可能
今までの事を踏まえるとコバスが釣れ始めたという事が様々な情報を与えてくれるという事が分かると思います。
しかし、雷魚の時と違うのは、コバスも同じブラックバスという事です。つまり、大きくエリアを変えなくても、その近くに大きいバスが居る可能性もあるし、大きくエリアを変えた方がいい場合もあるという事です。
例えば、同じエリアでもシャローにはコバスで、一段下のブレイクラインに大きいバスが居るとか、釣り方を変えると大きいバスが釣れるとか、カラーを変えると大きいバスが釣れるとか…様々な要因が考えられます。
逆に、コバスが釣れたという事はイコールで大きい意味での釣り方が間違っているという判断基準になります。
コバスが釣れた時点で、この場所でのこの釣り方は間違っているから修正する必要があるという目印になりますので、その釣りを続けずに先ほど挙げたように、レンジを変えたり、リグやルアー・釣り方を変えてみるといいでしょう。
それでもコバスが釣れたり、反応が無ければそもそもエリアが違っているので大きくエリアを変える必要があります。
コバスをたくさん釣って楽しければいいのですが、もっとクオリティの高いバスを探した方が八郎潟を楽しめると思いますので、コバスに満足せず是非クオリティフィッシュ探しにチャレンジしてみてください。
まとめ
前回と今回の記事では、雷魚とコバスが釣れた時にどのような判断をすべきなのか、そのまま同じエリアで同じ釣りを続けるのは思考停止につながる危険性があるので注意してほしいと思い書きました。
常に疑問を持ち、考えることで小さなヒントをストロングなパターンに結び付けられるのもバス釣りなので、様々な情報に惑わされずに柔軟な思考で夏以降の八郎潟を攻略してもらえたらと思いますので今回の記事が少しでも読者の皆様の参考になればと思います。