筆者:加藤敏久
⑦スポーニング編(5月~6月末)
今回は八郎潟のスポーニングについて書いていきます。この時期になると基本的にはイージーにバスは釣れますが、いろいろと難しい時期でもありますのでその辺も解説していこうと思います。
八郎潟バスのスポーニング
八郎潟のバスのスポーニング時期はおおよそ5月~6月末頃までがピークになります。7月に入るとアフターの魚も少しづつ回復してくるので釣れるエリアが移り変わっていき、しっかり追えていないと見失ってしまうのでバスの行動を頭に入れておく必要があります。
スポーニングはあっという間
5月になってから水温が上がっていくとシャローに見えるバスが増えてきます。水温次第ですが、もはやこの状況はスポーニングが始まっていると考えてOKです。八郎潟の水色でもかなり見えバスを見つけることが可能なのですが、少しコツがあります。このコツを知らない人にはバスは見えません…
バスを見るコツというのは、しっぽ(尾びれ)を探す!です。
基本的に濁っている=透明度が低く水中の魚は見えないと思われがちですが、スポーニング絡みでシャローにいるバスはその付近をウロウロしているので、背中からしっぽにかけて見えることが多いです。何をしているのかは見えないのですが、基本頭下がりでウロウロしているので、ボトムに意識がいっていることが多い感じです。
このタイミングはスポーニング的に言うなら2匹でいるならペアリング中で1匹ならネストを守っているバスだと思われます。
このどちらかのバスを発見する事が出来れば多くのポイントでも同じことが起こっている可能性がありますが、基本的に濁りの影響で釣り人には見えないバスが多いのでスポーニングエリアになるポイントで釣りをすれば答えが返ってきます。
スポーニングに関してはその直前までがあっという間に過ぎてしまいます。気づいたらネストだらけ…
そろそろスポーニング時期だからプリスポーンのデッカいバスを狙いたいな~なんて思っているなら4月中から狙いに行く必要があります。
でかいバスのスポーニングが早い説と遅い説
特大のバスはスポーニングの時期がその他の個体とズレるとよく言われますが、早い説と遅い説があります。
早い説は、大きい個体は体力があるから水温が低いうちから動けるので早くにスポーニングをするというものです。
遅い説は、水温が低いと卵が孵化するまでの時間が掛かってしまうのでそれを避けるために他の個体が産卵するよりも更に水温が安定して(上がって)から産卵するというものです。
ちなみに、大きい個体は深いところで産卵するという説もあって、それは外敵から卵を守りやすくするための様ですが、基本的にある程度光が当たる水深になるので、八郎潟の場合、これはあまり考えられないと思います。
早い説も遅い説も両方考えられると思いますのでプリスポーンのデカバスを釣りたい方はそういった事を意識して狙うといいと思います。
みんなが釣りやすいのは
スポーニングの時期に釣りやすいタイミングと釣りづらいタイミングがあります。
【釣りやすいタイミング】
・スポーニング前に体力をつける時期~スポーニング直前
・ネストで卵を守っている時期
・アフターの時期
【釣りづらい時期】
・スポーニングに意識が行っている時
・スポーニング中
・スポーニング直後でヘロヘロの時
上記のような感じなのですが、この中で最も簡単にバスが釣れるのが、ネストの時期です。
バスが必至で卵を守っているので食性ではなく、威嚇&排除で口を使う為です。このネストに関しては様々な意見がありますが、湖を守りたいと思う方は釣らない方がいいでしょう。
八郎潟のネストに関して
ネストに関しては、反対派と、別に少しなら釣ってもいいじゃん と言う方がいます。バス釣りにおいて意見が分かれるポイントなのですが、皆さんはどちらですか?
ネストの魚を釣ってしまうと場合によってはそのバスが守っていた卵は外敵の餌となってしまい新しい命が生まれずバスは減る一方です…
資源を守る観点からみるとネストのバスは釣るべきではないことは分かると思います。
しかし、実は八郎潟では大きな問題があります。
それは、濁っていてネストが見えないこと…つまり、知らず知らずのうちにネストのバスを釣りまくっているのです。
いろいろな方とこのことについて話をしてきましたが、結論は簡単です。
『八郎潟でネストを守りたいという方は5月~7月上旬までバス釣りをしない』
これしか方法はないと思います。
『このバスはネストじゃない!』なんて思って釣っていても見えていないだけでそれは高確率でネストのバスです。
ネストの時期に大切なこと
ネストのバスについては、節度を持って大量に釣らなければいいと思います。どうしても釣れてしまうものなので、避けられませんが、その時期の事を理解していれば自ずと対応方法が見えてくると思います。
ネストを守るために釣りをしないというのは一つの意見ですが、八郎潟の短いシーズンを考えるとシーズン中に釣りをしないのは難しい選択です…そのためにも知識と意識を高めれば資源を守る行動ができるはず!
皆さんも大切な資源を守る意識があればその時期に応じたバス釣りの楽しみ方ができると思いますので少し考えてみたり、釣り仲間と話してみたりしてもいいと思います。